カビが生えて、腐敗していく食べもの。
できれば直視したくないし、当然食欲なんて湧いてこない。
…そんな映像を広告にしてしまったのが、アメリカのファストフードチェーン、バーガーキングです。
(食事中・食事直後だった方、ごめんなさい!)
添えているコピーは、”The beauty of no artificial preservatives.(人工保存料を使わない美しさ)”。
ありのままに生きて、土へと還っていく「在り方の美しさ」のようなものを、芸術作品のような陰影の深い撮影で切り取る。
嫌われ者のカビが、ジブリ映画「風の谷のナウシカ」の腐海のように、神秘的で美しいものに感じられてくるから不思議です。
海外だからこそできる広告だとは思うのですが、弱点=日持ちがしないことを提示することで、強み=安心して食べられることを浮かび上がらせる鮮やかさに、何だかジーンと感動させられました。
完全無欠のエリートよりも、挫折や失敗を抱えながらも前に進む人が輝いて見えるように、
人やサービスの持つ“弱さ”は、“強さ”にもなる。
その人の、その商品のまるごと全部を愛おしく思ってもらえるようなメッセージを掬い取れるよう、頑張らねば!
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