弱さは、強さ。

カビが生えて、腐敗していく食べもの。
できれば直視したくないし、当然食欲なんて湧いてこない。
…そんな映像を広告にしてしまったのが、アメリカのファストフードチェーン、バーガーキングです。
(食事中・食事直後だった方、ごめんなさい!)

添えているコピーは、”The beauty of no artificial preservatives.(人工保存料を使わない美しさ)”。
ありのままに生きて、土へと還っていく「在り方の美しさ」のようなものを、芸術作品のような陰影の深い撮影で切り取る。
嫌われ者のカビが、ジブリ映画「風の谷のナウシカ」の腐海のように、神秘的で美しいものに感じられてくるから不思議です。
海外だからこそできる広告だとは思うのですが、弱点=日持ちがしないことを提示することで、強み=安心して食べられることを浮かび上がらせる鮮やかさに、何だかジーンと感動させられました。

完全無欠のエリートよりも、挫折や失敗を抱えながらも前に進む人が輝いて見えるように、
人やサービスの持つ“弱さ”は、“強さ”にもなる。
その人の、その商品のまるごと全部を愛おしく思ってもらえるようなメッセージを掬い取れるよう、頑張らねば!

関連記事

  1. 記憶と響き合う、内面からのリンク。

  2. 〈もの〉と〈ことば〉が出会う、「詩のホテル」

  3. 手仕事が伝わるパッケージ 「土屋鞄のランドセル」

  4. メッセージを貫く、意志。

  5. 優しい眼差しで紡ぐ、マナーの新しいカタチ。

  6. 愛ある広告のカタチ「サヴィニャック展」

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

制作実績一覧

PAGE TOP