//2018.8.1//みょうがの醤油漬け///
僕の実家は、大分県別府市の山の中にあります。
…とは言っても、転勤族だった父の実家として、盆と正月に訪れていた場所です。
そんなに長い時間を過ごした訳ではないんですが、人間よりも木や山の空気の方に圧倒的に存在感がある、この山奥が本当に好きでした。
薪をくべて焚くお風呂や、屋根裏へ上がる階段、おばあちゃんの大きな漬物樽と、梅酒やにんにく漬けの瓶。
冷たい湧き水が流れる水路や、年々大きくなる杉の木の森、夕方と朝に響く、ひぐらしの声。
水の神様をまつる小さな祠に行く、細い山道。祠の隣にある、2本の巨大な樹。
そうした懐かしい記憶が、実家から送られてきたミョウガを切っていると、ぶわっと湧いてきました。
匂いや音は、目で見たり手で触れたりできないからこそ、“イメージ”と深く結びついているんだなぁ…なんてことを感じた瞬間でした。
切ったみょうがの上に、胡麻と鰹節をたっぷり乗せたら、醤油をたらり。
よくかき混ぜて馴染ませた醤油漬けは、みょうがの歯ざわりと香りが広がって、いくらでもご飯がすすむ美味しさでした。
みょうがの香りが好きだから色々と思い出すのか、思い出とくっついているから、みょうがが好きなのか。
どちらにしろ、みょうがは旨い。もう、それでいいや(笑)
そういえば、星野富弘さんの詩にも、「みょうがを食べるとバカになるというけれど、俺は思い出すことばっかりです」みたいなのがあった気がするなぁ…。
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